sese2000AIと申します。
AIイラストの世界が広がり、誰でも手軽に画像生成を楽しめるようになった今、多くの方が「もっと上手く描きたい」という思いを抱いているのではないでしょうか。
実際、私の周りでも、
- 「AIイラストを始めたけど、思うような絵が生成できない...」
- 「他の人の作品を見ると綺麗なのに、自分の生成結果はいまいち...」
といった悩みを持つ方は多いです。
実は、AIイラストの品質を上げるには、特別な知識や高額なツールは必要ありません。適切な参考素材の選び方と、効果的な活用方法を知るだけで、驚くほど画質が改善します。
この記事では、プロンプト辞典の制作を通じて得た知見と、実際にAIイラストを制作している方々の声を元に、画力を向上させる7つの方法を紹介します。
本記事で紹介する技法は、初心者の方でもすぐに実践できる具体的なテクニックばかりで、
- Stable Diffusion
- Midjourney
- NovelAI
- DALL-E
- Leonardo.ai
- DreamStudio
- Bing Image Creator(Designer):無料で試せる
- Canva Text to Image
など、多くのAIイラスト生成モデルで応用可能な基本的な考え方です。
※具体的なパラメータの設定値やプロンプトの細かい書式は、お使いのAIモデルの仕様に合わせて調整してください。
なお、記事内で軽く紹介するプロンプト辞典はNovelAIをベースに制作していますが、そこで解説している考え方や手法は、他のAIモデルでも十分に活用できる汎用的なものとなっています。
プロンプトの基本的な構造や考え方は、使用するAIモデルが変わっても応用が可能なので、どのAI画像作成ツールを使っていても本記事の内容は役に立ちます。
コツ1:効果的な参考画像の選び方
AIイラストの品質を大きく左右するのが、参考画像の選び方です。ここでは、高品質な画像生成につながる参考画像の選定方法を紹介します。
基本的な参考画像の選び方
参考画像を選ぶ際は、以下の3つの要素に注目します。これらの要素を意識することで、より効果的な参考画像を選べるようになります。
画像の解像度。
- 1024×1024以上を推奨
- 細部まではっきりと見えるもの
構図の明確さ。
- 主要素が明確に配置されている。
- 画面分割が意図的に行われている。
光源の位置。
- 影の付き方が自然。
- ハイライトの位置が明確。
「最初は何を参考にすればいいのか全く分かりませんでした。でも、この3つの要素を意識するようになってから、生成される画像の品質が格段に上がりました」(AIイラスト初心者・3ヶ月目)
実践的な参照画像の活用方法
参考画像を選んだ後は、以下のポイントに注目して分析します。これにより、AIにより正確に意図を伝えることができます。
画風の特徴。
- 線の太さや濃さの変化。
- 彩度やコントラストの強さ。
- キャラクターの描き込み方。
構図の要素。
- 主要素と副要素の配置関係。
- 余白の取り方。
- 遠近感の表現方法。
色彩の使い方。
- メインカラーとアクセントカラー。
- 明暗の配置。
- 色の数と組み合わせ。
「参考画像を単に『かっこいい』『可愛い』で選んでいた時期がありました。でも、これらの要素を意識して選ぶようになってから、狙った通りの画像が生成できるようになりました」(デザイン学習者・6ヶ月目)
筆者の経験:プロンプト辞典を作成する過程で、最も重要だと感じたのは参考画像の『分析的な見方』です。ただ目で見るのではなく、なぜその画像が魅力的に見えるのか、要素を分解して考えることが重要でした。
参考画像の具体的な活用例
実際の活用例を、具体例を交えて説明します。
構図の参考方法。
- 画面を9分割して主要素の位置を確認。
- 視線の流れを矢印で図示。
- 重要な要素間の距離を計測。
色使いの分析。
- カラーピッカーで色を抽出。
- 補色関係の確認。
- グラデーションの変化を観察。
テクスチャの確認。
- 素材の質感の特徴。
- 陰影の付け方。
- 反射や透明感の表現。
「画像を9分割する方法は、構図を理解する上で特に役立ちました。主要素が交点付近に配置されていることが多いと気付き、自分の制作にも活かせています」(週末クリエイター)
「色使いの分析では、実際にカラーピッカーで色を抽出してみることをお勧めします。見た目と実際の色が異なることも多く、その発見が上達につながりました」(アートディレクター)
ポイント。
- 参考画像は最低3枚、理想的には5枚程度用意する。
- 同じ要素でも異なる表現方法の画像を集める。
- 画像の分析時間は1枚につき最低5分確保する。
「最初は時間がかかりますが、この分析作業を続けているうちに、自然と見るべきポイントが分かるようになってきます」(プロンプトエンジニア・1年目)
「個人的には、この分析作業がAIイラスト上達の最大の転機になりました。特に、プロンプト辞典のサンプルを参考にしながら分析を進めることで、より効率的に学習できました」(アマチュアイラストレーター)
コツ2:プロンプトの基本構造を理解する
AIイラストの品質は、プロンプトの書き方で大きく変わります。ここでは、参考画像の特徴を効果的に反映させるためのプロンプトの基本構造を解説します。
プロンプトの基礎知識
プロンプトとは、AIに対する指示文のことです。以下の要素を理解することで、より意図した画像を生成できるようになります。
基本的な記述順序。
- 画風や全体的な雰囲気を最初に指定。
- 具体的な要素は優先度順に記述。
- 細かい調整は後半に配置。
修飾語の使い方。
- 形容詞は具体的に選択。
- 数値による調整を活用。
- 否定的な表現は避ける。
重要度の表現。
- {}や[]による強調を適切に使用。
- 複数回の記述で重要度を上げる。
- 数値による細かい調整。
「最初は『可愛い女の子』『かっこいい風景』といった曖昧な表現を使っていましたが、具体的な要素を順序立てて記述することで、格段に意図した画像が生成されやすくなりました」(デジタルアーティスト・4ヶ月目)
筆者の経験:プロンプト辞典を作成する中で感じたのは、『順序』の重要性です。同じ要素でも、記述する順番を変えるだけで生成される画像が大きく変わることがあります。
効果的なプロンプトの組み立て方
実践的なプロンプトの構築方法を、具体例とともに解説します。
画風の指定方法。
- アートスタイルの明確な指定。
- 参考にしたい技法の記述。
- 全体的な雰囲気の設定。
キャラクター描写の手順。
- 全身的な特徴から記述。
- 重要なパーツを詳細に指定。
- 表情や感情の表現。
背景要素の組み込み。
- シーンの基本設定。
- 光源と時間帯の指定。
- 細部の装飾要素。
「絵の経験がなくても、この順序で組み立てていけば、それなりの画像が生成できるようになりました」(プログラマー・AIイラスト歴2ヶ月)
「特に画風の指定は重要です。『anime style』『realistic』など、基本的なスタイル指定から始めることで、ブレの少ない画像が生成できます」(イラストSNS運営者)
ポイント。
- 基本的な構造を必ず守る。
- 一つのプロンプトに詰め込みすぎない。
- 成功したプロンプトは後で見返せるようにメモを残す。
「CLIP STUDIO PAINT(イラスト制作ソフト)などで実際に絵を描いた経験がある人は、その知識をプロンプトに活かすことができます」(プロンプトアドバイザー)
プロンプトの具体例。
基本的な構造を実際のプロンプトで見ていきましょう。以下の例を参考に、自分の求める画像に近づけていくことができます。
画風の指定例。
- 基本スタイル:「anime style, detailed illustration, high quality」
- 画風の詳細:「soft painting, professional drawing, beautiful details」
- 全体の雰囲気:「dreamy atmosphere, fantasy concept」
キャラクター描写例。
- 基本設定:「young girl, long silver hair, blue eyes, gentle smile」
- 服装描写:「white dress, flower accessories, light fabric」
- 表情や動き:「looking at viewer, slightly tilted head」
環境設定例。
- 基本背景:「garden background, sunny day, soft lighting」
- 時間帯:「morning light, clear sky, gentle breeze」
- 細部表現:「detailed flowers, depth of field, bokeh effects」
実践的なプロンプト例と解説。
良い例。
「anime style, high quality, detailed illustration, young girl, long silver hair, blue eyes, gentle smile, white dress, garden background, sunny day, soft lighting, depth of field」
→ 要素が具体的で、順序立てて記述されている。
改善が必要な例。
「cute girl, nice background」
→ 要素が曖昧で具体性に欠ける。AIが解釈しづらい。
プロンプトの適切な長さについて。
- 最低限必要な要素:30-50トークン程度。
- 理想的な長さ:75-150トークン。
- 注意点:150トークン以上は逆に効果が薄れる可能性がある。
「プロンプトは料理のレシピのようなものです。材料(要素)の順番と分量(強さ)が重要です。最初は基本の組み合わせから始めて、少しずつアレンジを加えていくのがコツです」(AIイラスト講師・2年目)
コツ3. 画風の一貫性を保つテクニック
画風の一貫性は、魅力的な作品に欠かせない要素です。ここでは、安定した画風を維持するための方法を紹介します。
基本となる画風の確立
一貫した画風を作るには、以下の要素を意識的に制御する必要があります。
スタイルの基本設定。
- アートスタイルの明確な定義。
- 線画の特徴づけ。
- 彩色方法の統一。
画風の強度調整。
- スタイルの混合比率。
- 特徴の強調度合い。
- クオリティ制御。
テイストの安定化。
- 基本プロンプトの作成。
- バリエーションの範囲設定。
- 品質チェックポイントを作る。
「最初は毎回違う画風になってしまい悩んでいました。でも、基本となるプロンプトを作り、そこから派生させていく方法を知ってから、安定した画風が維持できるようになりました」(個人クリエイター・8ヶ月目)
筆者の経験:プロンプト辞典制作時に特に注目したのは、画風の『再現性』です。同じような結果を得られることが、統一性のある作品には不可欠だと実感しました。
画風の微調整とブラッシュアップ
基本画風を、より洗練させていく方法を解説します。
細部の調整方法。
- 線の太さや質感の制御。
- 影の付け方の統一。
- ハイライトの入れ方。
カラーパレットの管理。
- 基本色の設定。
- 配色バランスの調整。
- アクセントカラーの活用。
独自性の追加。
- 特徴的な要素の組み込み。
- オリジナル要素の追加。
- 差別化ポイントの確立。
「Photoshop(画像編集ソフト)でカラーパレットを作成し、それを参考に色指定を行うことで、より一貫性のある作品が作れるようになりました」(デザイナー・AIイラスト歴1年)
「特定のプロンプトパターンを作っておき、それを軸に変化をつける方法が効果的でした」(コンテンツクリエイター)
ポイント。
- 基本となるプロンプトセットを作成する。
- 変更は段階的に行う。
- 後で見返せるように成功例は必ず記録を残す。
「一貫性のある画風を維持するには、プロンプトの管理が重要です。私は専用のスプレッドシートで管理しています」(AIアートギャラリー運営者)
「基本的なプロンプトパターンさえ確立できれば、あとは微調整で理想の画風に近づけていけます」(プロンプトエンジニア・2年目)
画風の一貫性を保つプロンプト例。
基本となるプロンプトテンプレートから見ていきましょう。これらは、画風の土台となる重要な要素です。
アニメ調の基本形。
「anime style, high quality, clear lines, vibrant colors, professional illustration」シンプルながら特徴を押さえた基本形です。
リアル調の基本形。
「realistic style, detailed, professional photography, sharp focus, high quality」写実的な表現を重視した構成です。
画風の強度は以下のように調整できます。
- 弱め:「slight anime style」
- 標準:「anime style」
- 強め:「(anime style:1.3)」
また、カラーパレットの指定も画風の一貫性に重要な要素です。
- パステル調:「soft colors, pastel tones, gentle highlights」
- ビビッド調:「vivid colors, high contrast, strong shadows」
- モノトーン調:「monochrome, grayscale, high contrast」
「これらのテンプレートをベースに、自分好みにカスタマイズしていくことで、ブレの少ない画風を維持できるようになりました」(デジタルアーティスト・1年目)
実際のプロンプト管理では、以下のような形で整理しておくと効果的です。
- 基本プロンプト:[画風の基本設定]
- バリエーション1:[明るめテイスト]
- バリエーション2:[落ち着いたテイスト]
- バリエーション3:[実験的テイスト]
「プロンプトの変更履歴を記録することで、どの調整が効果的だったのかが分かるようになります」(AIイラスト研究者)
コツ4. 構図のマスター方法
効果的な構図は、見る人の印象を大きく左右します。ここでは、AIに理想的な構図を伝えるための具体的な方法を解説します。
基本的な構図の理解
構図の基本要素を理解することで、より印象的な画像を生成できるようになります。
黄金比・三分割法の活用。
- 画面の分割方法。
- 主要素の配置位置。
- 視線の誘導ライン。
バランスの取り方。
- 重心の配置。
- 余白の活用。
- 対称性と非対称性。
奥行きの表現。
- 前景・中景・背景の配置。
- 遠近感の出し方。
- レイヤーの重なり。
「最初は構図という概念自体が分かりませんでした。でも、『rule of thirds』というプロンプトを使い始めてから、バランスの取れた画像が生成されるようになりました」(主婦・AIイラスト歴3ヶ月)
筆者の経験:プロンプト辞典作成時に発見したのは、構図指定の威力です。同じ要素でも、構図の指定方法で印象が劇的に変わることが分かりました。
高度な構図テクニック
より印象的な画像を生成するための応用テクニックを紹介します。
アングルの効果的な使用。
- カメラ位置の指定方法。
- 視点の高さ調整。
- 傾きの活用法。
フレーミングの工夫。
- クローズアップの効果。
- 全体像の見せ方。
- 切り取り方の工夫。
動きの表現。
- ポーズの設定。
- 流れの作り方。
- 緊張感の出し方。
「CLIP STUDIO PAINTで構図の練習をしていた経験が、AIイラストの構図指定にも活きています」(イラストレーター・5年目)
「画面の対角線を意識したプロンプトを書くことで、より動きのある画像が生成できるようになりました」(Webデザイナー)
ポイント。
- 構図は必ずプロンプトで指定する。
- 複数の構図要素を組み合わせない。
- 成功した構図設定はメモを残す。
「構図の知識は、一般的な写真撮影にも応用できます。私はスマートフォンのカメラで構図の練習をしています」(写真愛好家)
「細かい構図指定は、Photoshopなどで実際にガイドラインを引いて確認すると分かりやすいです」(グラフィックデザイナー)
ここまで構図の基本的な考え方を説明してきましたが、実際のプロンプトではどのように指定すればよいのでしょうか。具体的な例を見ていきましょう。
構図の基本プロンプト例。
まずは、最も基本的な構図指定の方法です。
- 三分割構図:「rule of thirds, balanced composition」
- センター構図:「centered composition, symmetrical layout」
- 対角線構図:「diagonal composition, dynamic angle」
視点とアングルも、画像の印象を大きく左右する重要な要素です。
- 俯瞰視点:「bird's eye view, looking down」
- アイレベル:「eye level shot, straight on view」
- 煽りアングル:「low angle shot, looking up」
距離感の表現方法も押さえておきましょう。
- クローズアップ:「close-up shot, detailed view」
- 中距離:「medium shot, full upper body」
- 全身:「full body shot, showing entire figure」
「これらのプロンプトを組み合わせることで、例えば『low angle shot, rule of thirds, dynamic composition』のように、より具体的な構図指定が可能になります」(写真講師・AIイラスト歴1年)
シーンに応じた効果的な組み合わせ例。
- ポートレート向け:「close-up shot, rule of thirds, soft focus background」
- アクション向け:「diagonal composition, dynamic angle, motion blur」
- 風景向け:「wide shot, rule of thirds, depth of field」
「基本的な構図指定から始めて、徐々に複雑な組み合わせに挑戦していくことをお勧めします。最初から複雑な指定を試みると、AIが意図を正確に理解できない場合があります」(AIアート講師)
コツ5. 細部の作り込み方
細部の作り込みが画像の完成度を大きく左右します。ここでは、AIイラストのディテールを効果的に制御する方法を紹介します。
ディテール制御の基本
細部の品質を高めるための基本的なアプローチを説明します。
重要部分の強調。
- 注目させたい箇所の指定。
- 解像度の部分的な調整。
- 細部の描写レベル設定。
テクスチャの表現。
- 素材感の設定方法。
- 質感の調整テクニック。
- 光の反射や透過性。
陰影のコントロール。
- 影の濃さと方向。
- ハイライトの配置。
- アンビエントライト設定。
「Photoshopでレタッチ作業をしていた経験から、『detailed』『intricate』などのキーワードを効果的に使えるようになりました」(写真レタッチャー・6年目)
筆者の経験:プロンプト辞典制作を通じて、ディテールの制御が最も難しく、かつ重要だと実感しました。特に『バランス』が鍵となります。
高品質な仕上げのテクニック
より洗練された画像を生成するための具体的な方法を紹介します。
質感表現の工夫。
- 金属の輝き方。
- 布地のしわや質感。
- 肌の質感表現。
エッジ処理の方法。
- 輪郭線の強調度。
- ぼかしの使い方。
- コントラストの調整。
色調の微調整。
- 彩度のバランス。
- 明暗の強弱。
- カラーグレーディング。
「CLIP STUDIO PAINTでイラストを描いていた時の知識が、AIイラストのディテール指定にも活きています」(デジタルアーティスト・3年目)
「最初は細部にこだわりすぎて不自然な結果になっていましたが、メリハリをつけることで自然な仕上がりになりました」(コンテンツクリエイター)
ポイント。
- 重要な部分から順に作り込む。
- 過度な細部指定は避ける。
- バランスを重視した調整を心がける。
「細部の作り込みは、実際の写真や絵画を参考にすると良いヒントが得られます」(美術教師)
「ディテールの指定は、段階的に行うのがコツです。一度に完璧を求めすぎないことが重要です」(AIアートディレクター)
具体的なディテールの指定方法について、実際のプロンプトを紹介しつつ解説していきます。
※ここでは、状況に応じた使い分けができるよう、項目ごとに基本的なプロンプトをまとめています。
ディテール指定の基本プロンプト例。
まずは全体的な品質を高めるための基本的な指定です。
- 基本レベル:「detailed, high quality, intricate details」
- より高品質:「ultra detailed, masterpiece, best quality」
- 最高品質:「(extremely detailed:1.2), (intricate details:1.3)」
※最高品質の指定は画像全体の調和を崩す可能性があるため、慎重に使用しましょう。
素材別の質感表現では、対象物に応じて以下のような指定が効果的です。
- 金属表現:「metallic shine, reflective surface, brushed metal」
- 布地表現:「soft fabric, flowing cloth, delicate wrinkles」
- 髪の毛表現:「flowing hair, detailed strands, smooth texture」
光と影のバランスも重要なポイントです。
- 自然光:「natural lighting, soft shadows, ambient occlusion」
- 人工光:「studio lighting, dramatic shadows, rim light」
- 雰囲気重視:「atmospheric lighting, volumetric light, god rays」
「これらのプロンプトは、必ずしもすべてを同時に使う必要はありません。基本的な指定から始めて、徐々に複雑な組み合わせに発展させていくことをお勧めします」(プロンプトエンジニア・2年目)
シーンに応じた効果的な組み合わせ例。
- ポートレート細部:「detailed face, intricate eyes, individual strands of hair」→顔のディテールを自然に強調。
- 風景ディテール:「detailed background, intricate foliage, atmospheric depth」→遠近感のある細部表現を実現。
- 衣装の作り込み:「detailed clothing, fabric folds, intricate patterns」→服の質感を効果的に表現。
「ディテールの指定は『力加減』が重要です。私は最初は控えめに指定して、必要に応じて強度を上げていく方法を取っています。一度に完璧を求めると、かえって不自然な結果になりやすいんです」(イラストレーター・2年目)
コツ6. 修正・調整の効果的な手法
生成された画像をより理想に近づけるための修正・調整方法を解説します。ここでは、特にネガティブプロンプトとパラメータの調整に焦点を当てます。
ネガティブプロンプトの効果的な使用法
望ましくない要素を除外し、画像の品質を高めるための具体的な方法を説明します。
基本的な除外設定。
- 解剖学的な誤りの防止。
- 不自然な表現の排除。
- ノイズやゴミの削減。
細部の制御方法。
- 過度な装飾の抑制。
- 不要な要素の制限。
- テクスチャのバランス調整。
画風の純度維持。
- スタイルの混在防止。
- 一貫性を乱す要素の除外。
- クオリティ低下の防止。
「最初はネガティブプロンプトの重要性を理解していませんでしたが、『bad anatomy』や『low quality』などの基本的な除外設定を入れるだけで、格段に品質が向上しました」(システムエンジニア・AIイラスト歴6ヶ月)
筆者の経験:プロンプト辞典作成時、ネガティブプロンプトは『引き算の技術』だと実感しました。過度な制限は逆効果で、本当に必要な制限のみを設定することが重要です。
パラメータ調整の実践テクニック
生成画像の品質を細かく制御するためのパラメータ調整法を解説します。
CFG Scale(生成強度)の設定。
- 目的別の推奨値設定。
- 画風による使い分け。
- バランス調整。
Seed値の活用。
- 良好な結果の保存。
- バリエーションの作成。
- 段階的な改善手法。
その他のパラメータ。
- ステップ数の最適化。
- サイズ設定の工夫。
- ノイズ除去レベル。
「Photoshopでの編集経験から、パラメータ調整の重要性はすぐに理解できました。特にCFG Scaleの調整は、画像の完成度に大きく影響します」(グラフィックデザイナー・10年目)
「Seedの管理を始めてから、良い結果を再現できるようになり、作業効率が大幅に向上しました」(コンテンツクリエイター)
ポイント。
- 調整は段階的に行う。
- 極端な設定は避ける。
- 成功したパラメータは記録を残す。
「CLIP STUDIO PAINTなどのイラストソフトでレイヤーを使う感覚で、パラメータを調整していくとイメージしやすいです」(デジタルアーティスト)
「すべてのパラメータを理解するのは大変ですが、まずはCFG Scaleとステップ数の調整から始めると良いでしょう」(AIプロンプトアドバイザー)
それでは、実際のネガティブプロンプトとパラメータ設定の具体例を見ていきます。これらの例を参考に、自分の制作に適した設定を見つけることができるでしょう。
基本的なネガティブプロンプト例。
品質関連。
- 基本:「bad quality, low quality, worst quality」
- 解剖:「bad anatomy, worst anatomy, deformed」
- ノイズ:「noise, jpeg artifacts, blurry」
特定要素の除外。
- 顔周り:「bad face, ugly face, bad eyes」
- 手足:「bad hands, missing fingers, bad feet」
- 構図:「cropped, poorly drawn, bad composition」
推奨パラメータ設定例。
ポートレート向け。
- CFG Scale: 7-8
- Steps: 25-30
- Size: 512×768
風景画向け。
- CFG Scale: 8-9
- Steps: 30-35
- Size: 768×512
イラスト向け。
- CFG Scale: 6-7
- Steps: 20-25
- Size: 640×640
「パラメータ設定は、用途に応じて使い分けることが重要です。特にCFG Scaleは中間の値から調整を始めるのが無難です」(AIアーティスト・1年目)
記録すべき項目。
- プロンプト
- ネガティブプロンプト
- CFG Scale
- Steps
- Size
- Seed値
- 生成結果の評価
「私は表計算ソフトで設定を管理しています。特に良い結果が出た時の設定は、必ずメモを残すようにしています」(プロンプトエンジニア・2年目)
コツ7. 独自の作風を確立する方法
最終的な目標は、オリジナリティのある作品作りです。ここでは、自分らしい作風を見つけ、確立するための方法を紹介します。
オリジナル作風の見つけ方
独自の作風を確立するための基本的なアプローチを説明します。
基本スタイルの確立。
- 好みの画風の分析。
- 特徴的な要素の抽出。
- オリジナル要素の追加。
参考要素の組み合わせ。
- 複数スタイルの融合。
- バランスの取り方。
- 差別化ポイントの作り方。
独自性の追求。
- 特徴的な表現方法。
- カラーパレットの確立。
- 一貫したテーマ設定。
「最初は人気の画風をそのまま真似ていましたが、徐々に自分の好みの要素を加えていくことで、独自の作風が見えてきました」(個人クリエイター・1年目)
筆者の経験:プロンプト辞典制作を通じて分かったのは、オリジナリティは一朝一夕には生まれないということです。基本を押さえた上で、少しずつ自分らしさを加えていく過程が重要だと実感しました。
作風の発展と進化
確立した作風をさらに発展させる方法を解説します。
バリエーションの展開。
- テーマ別の変化。
- シチュエーション対応。
- 季節感の表現。
クオリティの向上。
- 細部の作り込み方。
- 一貫性の維持。
- フィードバックの活用。
表現の幅を広げる。
- 新しい要素の導入。
- 実験的な試み。
- 技術的な挑戦。
「CLIP STUDIO PAINTで培った構図やカラーリングの知識を、AIイラストの中で再解釈することで、独自の表現が生まれました」(プロイラストレーター)
「Photoshopでの編集作業と組み合わせることで、より個性的な作品が作れるようになりました」(アートディレクター)
それでは、独自の作風を確立するための具体的なプロンプト例を見ていきます。これらを参考に、あなただけの表現スタイルを見つけることができるでしょう。
基本的な作風設定例。
- ファンタジー調:「fantasy style, ethereal atmosphere, magical effects, soft lighting」
- サイバーパンク調:「cyberpunk style, neon lights, high tech, urban atmosphere」
- 和風テイスト:「japanese art style, traditional atmosphere, ink painting, zen aesthetics」
オリジナル要素の追加例。
色彩の特徴付け。
- 「muted pastel colors, dreamy atmosphere」
- 「vivid neon colors, high contrast」
- 「monochromatic style, subtle gradients」
独自の雰囲気作り。
- 「mystical fog, floating particles」
- 「dramatic lighting, deep shadows」
- 「soft focus, ethereal glow」
「作風の確立には、好きな要素を組み合わせながら、何度も試行錯誤することが大切です。私の場合、基本スタイルに少しずつオリジナル要素を加えていく方法が効果的でした」(クリエイター・2年目)
作風発展のためのステップ例。
- Step 1:基本スタイルの確立-好みの画風をベースに設定。
- Step 2:特徴的な要素の追加-色使いやテクスチャの工夫。
- Step 3:独自性の強化-オリジナル要素の組み込み。
- Step 4:ブラッシュアップ-フィードバックを基に改良。
「オリジナリティの追求は、基本的なプロンプトをベースに、自分らしい要素を少しずつ加えていくことから始まります。一気に独自性を出そうとせず、段階的なアプローチを心がけましょう」(AIアートディレクター)
【AIイラスト作成の参考に】画力が激変する7つのコツ:まとめ
AIイラストの品質向上に悩む方々の多くは、「何を」「どのように」参考にすればいいのかが分からず、手探りで進めているのが現状です。
しかし、この記事で解説した7つの方法を順番に実践していくことで、画質を向上させることができます。まずは以下の基本から始めてみましょう。
まず押さえておきたい3つのポイント。
- 参考画像は3-5枚を丁寧に分析する。
- プロンプトは画風→構図→細部の順で組み立てる。
- 成功したプロンプトは必ずメモを残す。
特に、構図のマスターと細部の作り込みは、作品の質を大きく左右します。これらは一朝一夕には身につきませんが、地道な実践と適切な修正・調整を重ねることで、必ず上達していきます。
意識したい習慣。
- 毎回のプロンプトを記録する
- 生成結果を比較・分析する
- 段階的な改善を心がける
最終的には、これらの技術を基礎として、あなたらしい作風を見つけていくことができるでしょう。
基本を大切にしながら、少しずつ実践を重ねていくといった一つ一つの積み重ねが、きっと良い結果につながっていきます。
AIの基本的な動作原理が共通しているため、この記事で紹介した手法は、無料で使えるAIやNovelAI、Stable Diffusion、Midjourney、DALL-Eなど、様々なAIイラスト生成モデルで活用できます。あなたの使いやすいツールで、ぜひ試してみてください。
私は本記事の内容を意識することで、以下の「プロンプト辞典(R18注意)」を作ることができました。
よくある質問(Q&A)
Q:初心者はどの要素から始めるべきですか?
A:まずは「参考画像の選び方」と「基本的なプロンプトの構造」から始めることをお勧めします。この2つの基礎があれば、他の要素も徐々に理解しやすくなります。
Q:プロンプトの長さに制限はありますか?
A:AIモデルによって異なりますが、一般的には75-150トークン程度が扱いやすい長さです。長すぎるプロンプトは逆効果になることがあります。
Q:生成結果が安定しない場合はどうすればいいですか?
A:以下の3ステップで改善を試みてください。
- プロンプトを単純化する。
- CFG Scaleを7-9の範囲で調整する。
- 安定した結果が出てから徐々に要素を追加する。
Q:同じような画像を複数生成するコツは?
A:主に以下の方法があります。
- Seed値を固定する。
- プロンプトの基本部分を変更しない。
- パラメータ設定を記録しておく。
Q:プロンプトの保存や管理はどうすればいいですか?
A:スプレッドシートなどで以下の情報を記録することをお勧めします。
- 基本プロンプト。
- 使用したパラメータ。
- 生成結果の評価。
- 改善点のメモ。
Q:作風の確立にはどれくらいの時間がかかりますか?
A:個人差がありますが、基本的な技術の習得に1-2ヶ月、独自の作風の確立まで3-6ヶ月程度を目安にしてください。継続的な実践が重要です。
Q:市販のプロンプト集は必要ですか?
A:初心者の方は、基本的な技術を理解するためのガイドとして活用すると効果的です。ただし、最終的には自分で考えて作り上げていくことが重要です。
Q:AIイラスト制作に必要な環境は?
A:主に、以下の環境があれば始められます。
- 安定したインターネット接続。
- 余計な部分を携帯場合:画像編集ソフト(CLIP STUDIO PAINTやPhotoshopなど)。
- プロンプトをメモするためのテキストエディタ。
Q:既存のイラストとの差別化はどうすれば?
A:以下の点を意識して制作することをお勧めします。
- オリジナルのプロンプトパターンの作成。
- 独自の色使いやテーマ設定。
- 特徴的な構図や表現方法の開発。